焼酎市場のこれから[ごちそうナビ]

只今ヒット中のお酒あり!

名酒センター代表 月刊ビミー編集長 武者 英三(むしゃ えいぞう)
酒屋独創塾顧問。訪問した蔵は1000蔵以上、呑んだ酒は星の数に匹敵、プロデュースした酒は多数。旨い日本酒を飲みましょう。

焼酎市場のこれから

 焼酎の動きが大分、沈静化してきた。あの焼酎ブームは一体何だったのだろう、と思うほど酒類市場は焼酎一色で湧き上がり、いつかブーム終焉がある事を覚悟しつつ賑った。終ってみれば、ブームなんかなかった方がよかった、という気がする。爆発的に売れなくたって、コンスタントにそこそこ市場が潤ってくれていた方が商売はやりやすい。

 それにしても消費者の流行りものに対する意識、反応は鋭く目まぐるしい。焼酎が流行っているとみれば、今までまったく飲みもしなかったものに飛びつき、もう廃ったとなればさっと離れていく。そこに自分の好みのスタンスのようなポリシーがほとんど感じられない。消費者はいつも浮気、とわかっていても恨みのひとつも言ってみたくなる。

 焼酎から離れた消費者はどこへ行ったのか。焼酎ブームの影で見え難かったが、梅酒が一部の消費者に支持されてマーケットを形成していた。焼酎ブームが去っても梅酒は根強いファンをつくっている。とくに梅酒はこれまで焼酎甲類をベースに造られてたものが圧倒的に多かったが、最近、日本酒をベースにした梅酒が甘ったるくなくて美味しい、と評判を呼び、梅酒ブームに拍車がかかっている。日本のリキュール類が最近売れているのもこの梅酒ブームに端を発している。こちらになびいていった消費者も結構いるような気がする。

 それともう1つは日本酒の再発見、見直しである。焼酎やワインのような一過性のブームはないけれど、比較的コンスタントに消費者に支持され、市場が形成されている。日本酒の全体的な消費量は落ちているじゃないか、という問いはあるが、市場をよく見ると、純米酒や純米吟醸、一部の本醸造は伸びている。とくに地酒といわれる一群の中の有力銘柄は力強く市場をつくっていて、日本酒の蔵元の底力は目を見張るものがある。
どの世界でもある事だが、販売力のある銘柄とそうでない銘柄が鮮明になりつつあり、商品力の差は歴然としてきた。商品力とはその品質の善し悪しだけでなく、高品質は当然とした上で、流通対策や消費者対策、さらにもっと言えば地域の風土や物語性、蔵元の姿勢といったものまでが含まれた総合的な力を指す。お酒は美味いし、品質は申し分ないのに売れない、という銘柄はたくさんあると思うが、そうしたお酒は品質以外の何かが欠如しているのである。

 ブームの去った焼酎も恐らくこうした市場特性をたどっていくだろう。流通段階の焼酎をみていると、すでに銘柄力をつけて商品力を高めた焼酎は市場を確保して売れているし、そうでない銘柄は市場からすでに消えてしまっているものも散見される。ただ焼酎は、たとえば日本酒と比べると、料飲店にとって扱いやすい商品で、粗利益もとりやすい。が、市場価格(小売価格)を知ってしまった消費者は料飲店が焼酎でいかに儲けているか、をキチンと見ているのである。こうした消費者はその料飲店に対しての不信感をつのらせていて、その反動がいよいよ現れているようにも思うのだ。


公開日[2008/05/20]

筆者プロフィール
週刊誌記者を経て酒類・食品のマーケティングに従事し、株式会社ヤングマーケティング研究所を設立、代表に就任する。東京・浜松町、日本酒PRのための店「名酒センター」代表、兼消費者向け酒の情報誌「月刊ビミー」編集長。(http://www.bimy.co.jp/) 他にセミナー講師、イベント企画プロデューサーでもある。 訪問した蔵は1000蔵以上、呑んだ酒は星の数に匹敵。プロデュースした酒は「黒牛」「瀧澤」「巻機」「本洲一」「田むら」「十五代九郎右衛門」「謙信」「男一心」と多数。

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