無濾過原酒ブームの後に...[ごちそうナビ]

只今ヒット中のお酒あり!

名酒センター代表 月刊ビミー編集長 武者 英三(むしゃ えいぞう)
酒屋独創塾顧問。訪問した蔵は1000蔵以上、呑んだ酒は星の数に匹敵、プロデュースした酒は多数。旨い日本酒を飲みましょう。

無濾過原酒ブームの後に...

いっとき、無濾過生原酒とラベルに書かれたお酒が出回り、マニアの人たちを虜にして市場に定着した。無濾過生原酒は文字通り、濾過をせず、火入れ(加熱と殺菌)もしない生酒で、さらに加水しないで原酒で出荷したお酒をいう。つまり絞った状態のお酒をほぼそのままビン詰めしたものだ。当然味は濃厚で、香りもフレッシュな香りが強く立ち、飲み応えのある、インパクトの強いお酒である。これが、これまで淡麗な辛口のお酒に物足りなさを感じていた酒マニアの人たちにウケたのだ。

 

飲食店もこの動きに呼応するように、こだわり派を自称する居酒屋を中心に取り扱い始めた。この動きはある意味、ブーム化したような部分もあったが、ひと段落した今、どうもちょっと違うぞ、といった動きが見え出してきたのである。

 

 お酒にインパクトが強いあまり、お酒だけで楽しめてしまうキライがある。つまり相方である料理、肴をあまり食べてない人たちが多くなってしまった。料理とお酒の両方をいただいてなんぼの世界の料飲店にとって、商売にならないという声も聞かれ出した。特にすし屋にとって、無濾過生原酒の香りは邪魔になる時さえある。ようやくそうした事がわかってきたのである。

 

お酒は本来、従の立場のほうがいい。主は料理、肴であり、主を邪魔しないで主に寄り添っていく。恐らく健康的な美味しい食べ方、飲み方でもこちらの方が理にかなっているだろう。

 

そこで登場したのが、ビン一発火入れのアルコール度16.5%〜16.8%の無濾過系のお酒である。まったくの無濾過でなく簡単な素濾過で処理し、加熱殺菌をビン詰め状態で一度行ない、原酒でなく多少加水してアルコール度を16.5%ほどにもっていく。

 

このお酒なら無濾過生原酒よりインパクトはないが、数段飲みやすくなる。淡麗系のお酒よりずっとコクがある。すし屋でも幾度か試したが、すしダネにピッタリあって、美味しく食べて美味しく飲める。居酒屋でも評判は上々である。

 

「田むら」「黒牛」「九郎右衛門」「石見銀山」「本洲一」「臥龍梅」「瀧澤」「巻機」「天虹」「そら蒼々」「謙信」「磯松」「颯」…今、思いつくままにそれらの銘柄を挙げてみたのだが、市場での評判は良く、人気が上がってきているようだ。当然、他にもまだあるだろうから、お酒に詳しい酒販店に聞いて一度試してみる事をお勧めする。


公開日[2007/12/13]

筆者プロフィール
週刊誌記者を経て酒類・食品のマーケティングに従事し、株式会社ヤングマーケティング研究所を設立、代表に就任する。東京・浜松町、日本酒PRのための店「名酒センター」代表、兼消費者向け酒の情報誌「月刊ビミー」編集長。(http://www.bimy.co.jp/) 他にセミナー講師、イベント企画プロデューサーでもある。 訪問した蔵は1000蔵以上、呑んだ酒は星の数に匹敵。プロデュースした酒は「黒牛」「瀧澤」「巻機」「本洲一」「田むら」「十五代九郎右衛門」「謙信」「男一心」と多数。

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